副作用について

監修:北海道大学病院 血液内科 豊嶋 崇徳 先生
京都大学医学部附属病院 小児科 平松 英文 先生

特に注意すべき副作用

サイトカイン放出症候群(CRS、シーアールエス)

サイトカイン放出症候群(CRS、シーアールエス)

キムリアの治療によって、CAR-T細胞や他の免疫細胞の働きが活発になると、サイトカインと呼ばれる物質が放出されます。サイトカインの放出をきっかけに、腫瘍細胞への攻撃が強まりますが、大量に放出されると正常細胞まで攻撃されてしまいます。その結果、全身のさまざまな部位で起きる炎症反応がサイトカイン放出症候群(ほうしゅつしょうこうぐん)です。キムリアの投与後、数時間後~数日以内にあらわれることが多い副作用です。

【主な症状】
微熱、疲れやすい、食欲不振、高熱、悪寒、筋肉痛、関節痛、悪心、嘔吐、下痢、汗を多くかく、発疹、頭痛、低血圧、けいれん、意識障害、呼吸困難や息切れ、出血が止まりにくいといった症状がみられます。また、一時的に動悸(どうき)や不整脈、むくみ、尿の減少などが起こることもあります。

重篤な神経系事象

キムリアの治療後に、精神や脳、神経の不調による症状が起こることがあります。多くの場合、こうした症状はキムリア投与後1週間程度の間に起こり、1週間程度で治まりますが、適切な検査と治療が必要です。
精神神経症状は、CRSと同時、またはCRSが治まったときあらわれることがありますが、CRSが起こらなくてもあらわれることもあります。

【主な症状】
意識がぼんやりした状態でおこる錯覚・幻覚・妄想、不安、めまい・浮遊感(ふゆうかん)、ふるえ、意識障害、時間や場所などがわからなくなる、錯乱、急激に感情が⾼ぶる、けいれん、話すことや読み書きが難しくなるといった症状があらわれることがあります。

血球減少/低ガンマグロブリン血症/感染症

血球減少/低ガンマグロブリン血症/感染症

キムリアの治療後に、白血球、好中球、リンパ球など病原体から体を守る免疫細胞や、血小板、赤血球などの血球成分が減少し、その状態がキムリアの投与後4週間以内に回復しないことがあります。また、正常なB細胞が持続的に不足した状態になったり、免疫グロブリンという免疫にかかわるたんぱく質がうまく作れなくなり、低または無ガンマグロブリン血症があらわれることがあります。血球減少や低または無ガンマグロブリン血症が起こると免疫力が低下し、さまざまな感染症にかかりやすくなります。これを防ぐために、免疫グロブリンの補充投与を行うことがあります。キムリアの投与1年以上経っても感染症にかかりやすい状態が続くことがあります。免疫⼒の回復状況について定期的に主治医に確認し、回復が不⼗分なうちは感染予防を心がけてください。
また、キムリアは万全の注意を払って製造されていますが、⽣物由来の原材料を使⽤しているため、これが原因となる感染症があらわれる可能性があります。

【主な症状】
ウイルスや細菌、真菌(カビ)などの病原体に感染しやすくなり、発熱、嘔吐、下痢、咳や痰、発疹、腹痛、血尿など感染する体の部位によりさまざまな症状があらわれます。また、青あざや手足に点状の出血があらわれたり、鼻血や歯ぐきから出血して血が止まりにくくなったりします。このほか、貧血により顔色が悪い、疲れやすい、頭が重い、動悸、息切れなどの症状があらわれることがあります。

腫瘍崩壊症候群

キムリアの治療後に、腫瘍崩壊症候群(しゅようほうかいしょうこうぐん)があらわれることがあります。これは、治療後に腫瘍が急速に死滅し、壊れた腫瘍細胞の成分が血液中に放出され、体内の尿酸値があがったり、カリウムやリン、カルシウムなどの電解質のバランスが大きく崩れる、血液が酸性になる、腎臓からの尿の産生が減少するといった異常を示す状態です。

【主な症状】
尿の減少、むくみ、呼吸困難、頭痛、けいれん、意識障害、吐き気、不整脈などが起こることがあります。

TOPへ戻る

TOPへ戻る